播州針の更なる発展を目指す‼
兵庫県釣針協同組合 理事長 森 幹雄
当組合は、昭和13年4月にその前身「播州釣針釣具工業組合」が創立されて、昨年(2018年)80周年を経過しました。
歴史を振り返りますと、大正から昭和にかけて、釣針の製造を人手のみに頼っていた工程が急速に機械化へと進歩してまいりました。次々に開発された各種の製造機械によって、釣針の大量生産が可能になると個々の業者において材料購入や品質管理及び販売面において、限界があることが明確になり事業協同組合の設立に迫られたのです。こうして発足した組合でしたが、戦時中の原材料の統制による配給制度、加えて供給不足が蔓延して組合は一旦解散に追い込まれました。
しかしながら、終戦後国民の食糧難を救うため漁業用釣針の増産が急務となり、幾多の難局を乗り越えて、昭和25年に現在の「兵庫県釣針協同組合」が発足しました。
1851年に播州下久米村の庄屋であった小寺彦兵衛が釣針の製造技術をこの地方に伝えてから約170年になります。その間には幾多の困難に直面しながらも明治、大正、昭和、平成そして新しい令和の時代へ職祖の意思を受け継いでその技術と伝統を守りながら先駆者や先輩たちの努力により、発展を遂げて来ました。
今日、この地方で生産された「播州針」は国内および、世界各地で高い評価を受けています。
現在、釣針製造に従事している彦兵衛翁の後継者達は、兵庫県釣針協同組合の下に結集して「播州針」の一層の発展のため日夜努力して参りますので、釣り人の皆様、関係団体の皆様方には、今後ともよろしくご支援と鞭撻およびご愛顧のほどをお願い申し上げます。